交通事故などにあった(第三者行為など)
- 手続き
- 解説
交通事故等にあったとき
必要書類 |
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自動車事故証明書 等 | |
備考 | ※できるだけすみやかに提出してください。 |
健康保険組合に届け出を
交通事故等で他人(第三者)から被害に遭い、その治療に健康保険を使用した場合は、健康保険組合が後日加害者に対して、治療に要した費用を請求することになります。そのために、自動車事故によるけがの治療を健康保険で受けたときは、できるだけすみやかに「第三者行為による傷病届」を健康保険組合に提出してください。
なお、健康保険で治療を受けたときは、示談する前に健康保険組合に相談してください。勝手に加害者と示談することのないようにお願いします。
1. できるだけ冷静に | 事故が起きたときは、ショックで冷静な判断を失うことがあります。できるだけ冷静に対処してください。 |
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2. 加害者を確認 | 確認することは、ナンバー、運転免許証、車検証などです。 |
3. 警察へ連絡 | どんな小さな事故でも、必ず警察に連絡しましょう。 |
4. 示談は慎重に | 自動車事故には後遺障害の危険がありますから、示談は慎重にしましょう。なお、健康保険で治療を受けたときは、示談の前に健康保険組合へ連絡しましょう。 |
事故が起きたら早急に健康保険組合へ
ご連絡をおねがいします!!
交通事故や暴力等、けがに相手(第三者)がいる場合のことを、第三者行為といいます。
基本は、加害者が治療費を10割分払うようになっています。
しかし、あまりにも高額になる場合は、救済措置として健康保険証の利用が可能になっています。
「医療保険者は、第三者行為による保険事故の傷病に対し、保険給付(療養の給付)を行なった場合は、その給付額を限度として、患者が第三者に対して有する損害賠償請求権を代わりに取得する」(健康保険法 第57条参照)
けがをした原因に相手がいる場合に関しては、保険給付を行ったとしても健康保険組合は、”損害賠償請求権(=求償権)”を得て、けがの相手(加害者)に対して請求を行います。
求償権とは・・・?
第三者の加害行為による事故で保険会社が保険金を支払った場合に、被保険者の第三者に対する損害賠償請求権を保険会社が代位取得し、被保険者に代わって第三者に請求し、保険金を返還してもらうことをいいます。
けがの治療費に関しては
交通事故や保険会社がわかる場合、健康保険を使わずになるべく自賠責保険や加害者加入の任意保険会社に医療費を請求しましょう。
~医療費請求の仕組み~
- ※1 健康保険を使う前に、医療費の全額(健保負担7~9割、本人負担1~3割)を加害者加入の保険会社で支払うことができる場合は、健康保険で処理せず、加害者加入の保険会社へ請求してください。
第三者行為の事例
- 自動車、自転車による交通事故
- 他人の飼い犬やペットにかまれた
- 飲食店などで食中毒にあった
- ※通退勤時、勤務中のけがは労災保険の対象になります。
労災保険の対象となる場合には、お勤めの会社へ連絡してください。
自動車事故が発生したら・・・
あわてず、落ち着いて行動しましょう
①必ず警察に連絡
事故の大小に関わらず必ず連絡し、「事故証明書」を発行してもらってください。
②加害者の情報を確認
運転していた人の氏名、住所、車体のナンバー、勤務先の名称と所在地、電話番号、保険会社の名称、証明書番号、保険加入年月日などを確認してください。
③示談する前に健康保険組合に連絡
健康保険で治療を受けた場合は、後日、加害者に対して、健康保険組合が医療にかかった費用を請求することになります
④第三者行為による傷病届の記入
健康保険組合より書類をお送りするので、記入をお願いします。
なぜ、”第三者行為による傷病届”を提出するの?
事故が起きた際、「第三者行為による傷病届」を提出することは、健康保険法(第65条)で決まっています。
健康保険法施行規則第65条(第三者行為による被害の届出)
療養の給付に関わる事由または入院時食事療養費、入院時生活療養費もしくは保険外併用療養費の支給に関わる事由が第三者の行為によって生じたものであるときは被保険者は、遅滞なく、次に掲げる事項を記載した届出を保険者に提出しなければならない。
1.届出に係わる事実
2.第三者の氏名および住所または居所
3.被害の状況
- ※健康保険組合への「第三者行為による傷病届」を、相手側もしくはご自身の加入されている保険会社が書類の作成を支援してくれる可能性があります。
詳しくは、任意加入の保険会社へ問い合わせてください。
示談を行う際にご注意いただきたいこと
損害賠償請求権の全部または一部を放棄した場合、その範囲で健康保険の給付を受けられなくなる可能性があります。後遺障害等で後から治療が必要になった際、健康保険が使えないということを防ぐためにも、示談をする場合は事前に健康保険組合にご相談ください。
第三者行為のけがの治療費について健康保険を使用し、ライク健康保険組合に何も相談なく示談された場合は健康保険組合から、加害者へ求償ができなくなる可能性があります。
求償ができなかった場合、被害者(本人)に治療費を支払っていただく可能性がありますので、ご注意ください。
「全額自己負担」になる可能性のある示談例
示談の前にまずライク健康保険組合に相談してください。
事故現場等で当事者同士で簡単に話し合い、事故処理を行った場合でも示談成立となり得ます。口頭で交わした約束であっても、法的に有効とされることがありますのでご注意ください。
示談後も健康保険が使えるかどうかは、示談の内容によって決まるため、後日、「後遺障害が発生した」などの問題が生じた場合、健康保険では対応できないことがあります。示談は自己判断で安易に行わず、事故現場では免許証などで相手の方の氏名・住所、連絡先などを確認し、示談に関しては、後日、ライク健康保険組合に相談してください。
注意!「全額自己負担」になる可能性のある示談例
- 健康保険を使って治療を受けている間に示談が成立した
被害者が加害者から、治療費用を含む賠償金を受け取ると、それ以降、健康保険では治療を受けられなくなります。治療が長引いた場合、医療費は全額自己負担になってしまいます。
- 「健康保険で治療を受けるため、医療費は不要」という内容の示談をした
被害者が、医療費に関する損害賠償請求権を放棄したことになります。健康保険を使って治療した費用を加害者に請求できなくなるため、医療費全額を被害者が支払わなければなりません。